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「小学校におけるラジオ体操の実態調査」結果の概要

簡易保険加入者協会では平成16年11月、現在の小学校においてラジオ体操がどの程度実施され、どのように受け止められているか等について、その詳細を調査しました。調査方法は全国の小学校から2,951校を抽出し、調査票を郵送。主に、体育の実情に詳しい教員により回答していただきました。

結果、62.7%にあたる1,849校から回答が寄せられ、立教大学社会学部間々田研究室において調査概要をまとめる作業を行ってきましたが、このほど分析結果が報告されました。

ここでは、調査を分析した結果明らかになったことの要点をご紹介します。

結論1:ラジオ体操実施の有無

ラジオ体操は現在でも多くの小学校で行われており、地域社会での実施も含めると、ほとんどの児童はラジオ体操を経験している。

本調査の結果、全国の小学校におけるラジオ体操実施率は76.4パーセントとなり、現在かなり多くの小学校でラジオ体操が実施されていることが分かりました。また、児童が小学校以外でもラジオ体操を行う機会がある、と回答した小学校は83.3パーセントに達し、小学校の内外どちらにもラジオ体操をする機会がない児童は3.4パーセントに過ぎません。

以上のことから、現在でもほとんどの児童はラジオ体操を経験しているといえます。

ラジオ体操実施の有無

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結論2:ラジオ体操実施率

ラジオ体操は村落的な地域でよく行われており、大都市的な地域では実施率が低くなっている。

さまざまな小学校の特性別に調べてみると、ラジオ体操の実施率は地域別にかなり大きな違いを見せています。

ラジオ体操の実施率が高いのは、行政区域でいえば町や村(郡部)であり、地方別にいえば、北海道、東北、中国、四国、九州、沖縄など、関東、関西の大都市圏から離れた地域です。また、地域特性別にいえば農山漁村地域です。そして、児童数でいえば小規模の小学校で多く実施されています。

ラジオ体操の実施率が低いのは、行政区域でいえば大都市地域であり、地方別にいえば関東であり、地域特性別にいえば住宅地や商工サービス業地域です。そして児童数でいえば、大規模の小学校で実施率が低くなっています。

児童数100人未満の小学校と児童数800人以上の小学校とでは、88.4パーセントと44.0パーセントと、実施率に2倍以上の開きがあります。

以上をまとめると、ラジオ体操は村落的な地域で実施率が高く、大都市的な地域では実施率が低いといえます。

全国児童数別のラジオ体操実施率

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結論3:ラジオ体操実施の機会

ラジオ体操は運動会でよく行われているが、体育の授業で本格的にラジオ体操を行う機会はそれほど多くない。

ラジオ体操を行う機会をたずねたところ、最も多いのは「運動会」であり、ラジオ体操実施校1,412校のうちの88.2パーセント、全回答校1,849校のうち67.4パーセントで実施しています。しかし、本格的に繰り返し実施する機会である体育の授業で行うと答えたのは、ラジオ体操実施校の51.4パーセント、全回答校の39.3パーセントにとどまります。結論2で述べたようにラジオ体操実施率は地域差が大きいが、体育の授業でも地域差が大きく、北海道で全回答校の63.6パーセントが実施しているのに、関東では全回答校の22.9パーセントが実施しているにすぎません。

そのほか、夏休み等に児童を集めて行うというケースもラジオ体操実施校の24.0パーセント、全回答校の18.3パーセントで見られました。

ラジオ体操実施の機会

ラジオ体操の体育授業での実施率

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結論4:ラジオ体操に取り組む姿勢

児童がラジオ体操に取り組む姿勢はおおむね好ましい状況にあるが、体の動きは必ずしも正確でなく、またあまり楽しそうでないところが問題である。

児童がラジオ体操に取り組む姿勢についてたずねてみると、真剣さ、音楽に合っているかどうか、整列、おしゃべりが多くないかどうかという4項目については、良好な結果が得られました。ラジオ体操はおおむねおしゃべりせず、整列して、まずまず真剣に行われており、音楽にも合っています。

しかし、肝心の体操の動きが正確かどうかについては、「正確なほう」が36.6パーセント、「正確でないほう」が26.3パーセント、「どちらともいえない」が36.0パーセントとなっており、必ずしも良好な状況ではないことが分かりました。

それに対して、教員の教え方についての自己評価は、「きちんと教えている」の34.2パーセントに対して、「一通り教えているが十分ではない」のほうが61.2パーセントとはるかに多くなっています。

また、「楽しそうか」という項目については、「楽しそう」がわずか11.3パーセントであり、「楽しくなさそう」が24.3パーセント、「どちらともいえない」が63.2パーセントにも達しました。ラジオ体操が運動の楽しさを伴っていないとすれば、ラジオ体操の普及にとっては大きな問題です。

動きの正確さ

楽しそうか

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結論5:ラジオ体操についての意識

小学校教員のラジオ体操に対する評価は良好である。しかし、授業中児童に行わせる体操としては、ラジオ体操よりも、個々の小学校の実情に合わせたもののほうが強く求められている。体育でぜひともラジオ体操をしなければならないという積極的な意識は、現在の小学校教員の間ではあまりみられない。

体育授業の一種目としてのラジオ体操を評価してもらったところ、運動量、運動内容、イメージについてはラジオ体操の評価は比較的高くなっています。とっつきやすさについてもまずまずの評価であり、難易度については、低学年でもこなせるという見方は少ないが、中学年になるとおおむねこなせると考えられています。

このように、それ自体については良好な評価を受けるラジオ体操ですが、体育の授業での体操として最も望ましい体操についてたずねたところでは、10.4パーセントしか回答を集めませんでした。最も回答率が高かったのは「各専門教員がクラスの実情や活動種目に合わせて作った体操」の42.7パーセントであり、ついで「ストレッチ」が34.2パーセントでした。児童に合わせ、種目に合わせた体操というのが、現在の小学校の主流となっているようです。

ラジオ体操がもっと頻繁に行われるために必要な条件についてたずねた質問では、「教員たちがラジオ体操の意義についての理解を深めること」が61.0パーセントと多数意見を占めましたが、これは上記の児童と種目に合わせた体操と比べて、なぜラジオ体操がもっと頻繁に行われなければならないのか分からない、という思いがこめられた回答だと推測されます。自由記入欄には、もっとはっきりとラジオ体操不要論を述べた回答者もありました。

以上、ラジオ体操それ自体はいい運動だが、小学校の体育教育としては、必ずしも積極的意義を見つけられないというのが、現在の小学校教員に多い考え方だといえるでしょう。

体育の事業で行なう体操としてはどんなものが望ましいか

ラジオ体操発展のために必要な条件

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結論6:体操教育における問題点

体育教育での児童の体力や行動について、現在の小学校では問題が多いと考えられている。特に、体の柔軟性が低下していることを指摘する学校は非常に多い。また、「同じ姿勢を長く保てない」という指摘も目立っている。

現在の体育教育における、児童の体力や行動上の問題についてたずねたところ、「体の柔軟性が低下している」が69.9パーセントと非常に多い回答を集めました。筋力の低下(59.8パーセント)、持久力の低下(53.2パーセント)も多くなっています。

「同じ姿勢を長く維持できない」は、回答順位では45.8パーセントで4位であるものの、体力測定がなされず、注目を集めにくい項目であるにもかかわらず、多くの回答を集めた点が注目されます。

児童の体力、行動面の問題点についての15項目のうちで○をつけた項目の数の平均(平均回答数)は、全回答校の平均で3.8となり、児童の体力、行動について、現在の小学校では問題が多いと考えられていることが分かります。

体育教育上の問題点

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全国ラジオ体操連盟への要望

全国ラジオ体操連盟に対し、各小学校がどんなことを望んでいるかをたずねたところ、回答が集中したのは、「ラジオ体操の仕方を示したビデオ、DVD等を送ってほしい」であり、60.6パーセントの回答者がこれを選択しています。

5つの項目の中では、次が「ラジオ体操の仕方を示した冊子を送ってほしい」で26.2パーセント、3番目が「ラジオ体操の指導員を派遣して児童に直接指導してほしい」の21.6パーセント、4番目が「ラジオ体操の指導員を派遣して教員たちに実地に指導してほしい」で13.5パーセント、5番目が「ラジオ体操の意義について講演してほしい」で10.7パーセントとなりました。

全国ラジオ体操連盟への要望

全国ラジオ体操連盟では本実態調査の結果を踏まえ、今後、全国の小学校におけるラジオ体操の普及等について、検討を重ねていく方針です。

また、全国ラジオ体操連盟への要望を受け、指導を希望する小学校への指導員の派遣等、積極的な検討を進めています。

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